言葉にうっとりする瞬間 〜『Brooch』 内田也哉子・文 渡邊良重・絵

本が好きな理由はたくさんあるし、本によっても違う、気分によっても違う。
けれども、どんなときも美しい言葉は心に付着した埃をさっと流し
強く、前向きにしてくれる。
目的をもって「本を読もう」としなくても、突然の雨のように
心におちてくる。
教会帰りの次女にランチを誘うと、パンケーキが食べたいという。
ランチ??あまくない?
そう思っていたのだけれど、あまりにも幸福なお店で、お店の人が温かくて、絵本もたくさんあった。
美しいものたちを眺めながら、パンケーキを待つ時間は思った以上に豊かで静かだった。
あまい香りと、小さな希望のひかり。

Broochは、小さな祈りだった。
足りないものを数えることをやめて、満たされる今に気づいた瞬間、
この時間がとても彩り豊かで、満ち足りたもののように思える。
艶やかなぬくもりが、やさしく、少し切なく、心を温めてくれた。
